ラグビーワールドカップ会場でのクロストークが大好評!
高画質の映像・音声品質と簡単な操作性により
低コストで臨場感たっぷりのライブ中継を実現

株式会社ジェイ・スポーツ
  • ラグビーワールドカップ会場の空気感をリアルに伝えた中継は大きな話題に
  • 安定した映像・音声品質と簡単な操作性により低コストで中継耐性を構築
  • モバイル回線だけで中継できる容易性と番組制作事情に見合うコスト削減効果
導入製品
 Smart-telecaster Zao

日本で応援のラグビーファンに向け 臨場感のあるライブ中継を実施

株式会社ジェイ・スポーツ(以下、J SPORTS)は、野球、サッカー、モータースポーツ、ラグビー、フィギュアスケート、サイクロードレースなどのコンテンツを国内唯一となる4チャンネルマルチ編成で放送する日本最大のスポーツ専門テレビ局だ。BS放送や全国300曲以上のケーブルテレビ、IPTVなどを通じて約650万世帯が視聴可能となっており、試合終了までの完全生中継のほか、PCやスマートデバイスなどで好きな場所でライブ中継を視聴できるオンデマンドサービスも人気となっている。

2015年9月から10月にかけて英イングランドで開催された「ラグビーワールドカップ2015」(以下,RWC2015)では、総力を挙げて全48試合生中継を敢行し、日本で沸き起こったラグビーブームを後押しした。中でも、日本戦の試合開始前やハーフタイムでのピッチレポートや、試合終了後の日本代表選手インタビュー、スタジオのゲストとのやりとりなど、顔出しのクロストークをモバイル回線でライブ中継した独自の工夫が好評で、現場の空気感を遠く日本で見守るファンへリアルに伝えたこの試みは業界専門の新聞にも掲載された。

「J SPORTSはRWCを1999年から2015年まで5大会連続で中継してきましたが、5回目の今回は日本代表チームが歴史的偉業を達成し、例年以上に注目度は高まりました。本大会でのライブ中継への取り組みがラグビー人気に役立てられたのなら、私たちもトライした甲斐があったと感じています」

と語るのは、J SPORTS製作技術部長 兼 映像技術チーム チームリーダーの富久洋次郎氏だ。

その臨機応変なライブ中を実現したのが、ソリトンシステムズが開発した最新のIP通信方式中継システム「Smart-telecaster Zao」(以下、STC-Zao)だ。世界初となるHEVC/H.265準拠のハードウェアエンコーダを採用し、モバイルネットワーク向けに最適化された独自の「RASCOWテクノロジー」によってイングランド地方の通信環境でも安定した高品質な映像・音声伝送を可能にした。

プロ野球の中継で通信品質を確認し RWC2015での運用を正式に採用

本来、J SPORTSは、ホストブロードキャスターから供給される各種スポーツコンテンツを放送することが主体で、中継業務は技術会社に委託してきたため、中継装置が社内には存在しなかった。機動力のあるライブ中継装置を導入すれば番組製作の幅が広がるのではないかという考えのもと、2014年頃から導入に向けた調査を開始していたが、独自に導入しても少人数オペレーション体制の中で中継機材を誰が運用するのか、機動性を活かせる番組の製作体制があるのかといった課題があったという。

富久氏は、これまでも試験的に中継機材を運用したことはあったと打ち明ける。しかし、その当時の画質評価は悪く、バグ等の問題もあり、本番での使用に二の足を踏んでいたという。

「本格的に中継システムを導入するならば、多くの投資を必要とせず映像素材の伝送が可能で、オペレーションが極めて容易なこと、製品のコンパクトさ、さらに世界のどこからでも高画質な伝送が可能であることなどを選定の条件にしていました。そんな中、2015年3月にソリトンシステムズからそれら条件を備えたSTC-Zaoがリリースしたという情報を耳にしたのです」(富久氏)

同社は、同年7月に沖縄で行われたプロ野球の試合をSTC-Zaoで試験的に中継し、基本的な性能を評価。事前の設定も不要で、電源入力後は2クリック操作だけで撮影を開始できる簡単な操作性や、高画質でかつその当時のバージョンにあったバグも解消されたことを確認できたことから、9月からのRWC2015に向けて正式に採用を決定した。

「STC-Zaoは安定した映像・音声品質で運用でき、習熟したスキルも不要なほど簡単に操作可能な機材だったので、RWC2015では低コストで中継体制を組み、私を含めた2名のスタッフで全てのオペレーションに対応しました。実はこれはすごいことなのです」

と富久氏。

そのもうひとりのスタッフが、J SPORTS製作技術部 映像技術チーム 後藤裕氏だ。

「確かにSTC-Zaoの容易性や使い勝手の良さは際立っていました。私の目的は、HD画質の中でH.265エンコーダのSTC-Zaoがどの程度の画質で放送可能なレベルなのかを確認することでしたが、今後4K伝送というプロジェクトが控えている中で、H.265をどのように使いこなすべきかの第1ステップとしては最も適していた中継システムでした」

と話す。

オンデマンド限定の中継番組にも STC-Zaoをレギュラーで活用

STC-Zaoの活躍は現地イングランドだけではなく、日本代表チームが凱旋後、国内のジャパンラグビートップリーグが開催されるまで何度か開かれた記者会見の場でも発揮された。オンデマンドサービス向けの番組作りを担当するJ SPORTS製作技術部 映像技術チーム サブリーダーの梅木健氏は、当時の状況を次のように説明する。

「記者会見で生中継を行うためには事前に回線を手配して会場で準備しなければなりませんが、STC-Zaoはモバイル回線の状態を確認するだけで回線設定が可能になるので、直前でも問題なく対応できました。他のメディアはニュース用の録画目的で取材していましたが、J SPORTSだけがBS向けの生放送を行っていたため、関係者に驚かれるとともに、大変喜んでもいただきました」

STC-Zaoはモバイル回線のほか光回線のインターネット接続サービスやWi-Fiも使用できるので、どの現場にいても安定した中継回線を容易に確保できる。また、バッテリーとACの2系統で運用できるため、通常はコンセントからAC電源で運用し、移動が必要になればバッテリー駆動に切替えてシームレスに中継続行が可能だ。

「切換え時に映像の乱れはなく安定しているので、万一AC電源が落ちた場合でも非常に安心です」

という梅木氏はその機動性と柔軟性を高く評価する。

J SPORTSでは、中継の本線は従来通り光回線や衛星回線などを使うが、STC-Zaoをオンデマンド限定の中継番組にもレギュラーで活用するほか、中継本線の予備回線や、番組内で入る中継のスポット運用などで日常的に利用する予定だという。

番組作りに+αの要素をもたらす STC-Zaoのフットワークの軽さ

富久氏は、

「BS4チャンネルに加えて、2015年7月からオンデマンドサービスが始まったことで、番組製作や映像伝送の機会が増えてきました。オンデマンド限定番組にはあまり製作費をかけられないため、STC-Zaoはコスト削減効果においても非常に有効だと感じています」

と話す。現在、社内ではSTC-Zaoの存在は一般化し、運用には免許が不要で簡単に高品質な映像伝送が実現できることからフル稼働状態になっており、そのため今後は追加導入も予定しているという。

また、後藤氏は、スポーツ番組のコンテンツバリューは速報性にあり、その点でもSTC-Zaoの有効性は極めて高いという。

「J SPORTSはスポーツ専門テレビ局として、各スポーツのすばらしさや興奮を伝えるために番組作りの厚み・深みをいかに加えていくかが問われています。フットワークの軽いSTC-Zaoには、今後の番組作りにプラスアルファの要素をもたらす可能性を強く感じているのです」(後藤氏)

2019年に日本でラグビーワールドカップが初開催され、2020年には東京オリンピック・パラリンピックというビッグイベントが控える中で、J SPORTSへの期待と役割は一段と大きなものとなっている。ソリトンシステムズは日本におけるスポーツ文化の成熟に向けたJ SPORTSの活動にこれからも伴走し、品質とサポート力で支援し続けていくつもりだ。

 お忙しい中、有り難うございました。

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