導入事例

大分県庁

グループウェアをリモートアクセス活用し、働き方改革へ
BYODでも安心して使える仕組みを叶えた、データを残さず、端末認証・管理機能も備えるSoliton SecureBrowser

大分県庁
  • 共働きや女性職員の増加で多様な働き方へ
  • サイボウズGaroonによる情報共有とリモートアクセスニーズ
  • BYODでもセキュアかつ快適なアクセスを本製品で実現

大分県

九州の北東部に位置する大分県は「日本一のおんせん県おおいた」として源泉数、総湧出量ともに日本一を誇り、日本有数の温泉地として人気が高い。IT 面では、離島である姫島に IT 企業がサテライトオフィスを開設したことをきっかけとして「IT アイランド」として県内外からの注目度が高まっている。「ラグビーワールドカップ 2019」を控えた同県では「情報セキュリティ先進県」を目指し、独立行政法人情報処理推進機構と連携協定を結んでいる。

大分県庁 様 イメージ図

働き方改革チャレンジ

大分県庁では、平成27年に行財政改革アクションプランをたて、ICT利活用による労働生産性の向上を推進してきた。取り組みを進める中で、職員の中でも新規採用の女性職員の割合が全体の40%を超えたこと、夫婦共働きの職員が増えたことなどを受け、これまでの働き方を見直し、多様な働き方を支える業務環境の構築について検討され始めた。

業務改善を行う部署である、大分県総務部行政企画課行政企画班 主査 上田修作氏は、次のように語る。

「このアクションプランを実行するにあたり、以前から要望のあったリモートワークを導入する企画を立てました。ですが、情報漏えいなどの心配もあったので、セキュリティ対策や導入・運用に関してシステム部門である情報政策課に相談しながら進めることにしました」

サイボウズGaroon利用定着後リモートワークの需要が高まる

県のシステムを使用する職員は多岐に及ぶ。県庁の職員はもちろん、県立の施設に勤務する職員や他県に出向している職員が使用できるからだ。そのシステムの中に、サイボウズ株式会社の中堅・大企業向けグループウェア「Garoon(ガルーン)」を導入したことにより、メール、スケジュール管理が統一され、ナレッジ共有としてのスペース機能、掲示板機能、さらには庁内連絡としてのメッセージ機能が活用され、職員同士のコミュニケーションの活性化や情報共有の効率化を図ることができた。これにともない、Garoonの活用について、自席だけではなく外出先や移動中にも利用したいというリモートワークへの要望が増えてきた。そのほかにも県立病院で働く職員からは、院内の執務室に共有のパソコンが1台しかないため、スマートフォンなどで利用できないかという問い合わせがあったり、育児休暇中の職員からは、自宅にいる時でも県庁内の情報共有をしたいという声が挙がったりした。これを受け、情報政策課と行政企画課で検討を重ね、大分県にリモートワークを導入することを決めた。リモートワークを行うことで、多様な人材を尊重する多様な働き方を支える環境を作るとともに、業務の生産性の向上を図りたかったという。

「これまでは自席でしか行えない作業もあり、効率が悪い部分がありました。リモートワークの導入で、すきま時間の活用ができるようになれば作業効率が上がり、ワーク・ライフ・バランスの実現に繋げることができると思いました」

2017年度より上田氏の業務を引き継いだ同班主査 石川華代氏は、リモートワーク導入のきっかけを述べた。

ソリューション導入効果

リモートワークはコスト削減も兼ねてBYOD(私物の端末利用)で行うこととした。そのため、リモートアクセス環境を整備するツールのセキュリティ面は特に重視したという。製品の選定要件として、使用する端末に業務データが残らないこと、運用のしやすさから国産製品であること、万が一の際のリモートワイプができる機能(簡易MDM機能)があること、管理者権限を取得してしまうroot化、Jailbreakされた端末をリモートアクセスさせないことが挙がったという。

そして、庁内で使っているGaroonをいつも通り利用できることも重要であった。

これらの要件を満たす製品として採用されたのがソリトンシステムズの「Soliton SecureBrowser / Soliton SecureGateway」だ。さらに、デジタル証明書による端末認証とリモートワイプの簡易MDMには、同社のネットワーク認証アプライアンス「NetAttest EPS」を組み合わせて使用することで、セキュリティの向上を実現した。

上田氏、石川氏と共に、今回の運用や導入を担当した、大分県商工労働部情報政策課システム開発第一班の川野裕介氏は、導入した当初の職員の反応について振り返る。

「リモートワーク開始の案内をしたところ、想定以上の応募がありました。上層部からの申請も多く、今では653ユーザー(2017年10月現在)が使用しています。今は1人につき1台、スマートフォンでの利用のみを許可している状況なのですが、SecureBrowserで利便性を高められたという手ごたえから、さらに使用したいという要望も多く、将来的には1人2台、1,000ユーザーの利用も考えています」

これほどに利用が進んだ要因としては、リモートワークの潜在的なニーズが大きかったことと、SecureBrowserがもつ利便性、さらには富士ゼロックス社のDocuWorksViewer連携が大いに有効だったという。同庁では、ファイル文書にDocuWorksを利用しているために、ファイル閲覧ソフトが限られてしまう。しかしSecureBrowserであれば、DocuWorksにも対応しているため、閲覧もでき、メールへの添付を許可するかどうかを選択できることから、非常に役立っている。

県庁内には、さまざまな課があり、課を超えての調整事項も多い。会議や打ち合わせのスケジュール調整もそのひとつだ。その際に、SecureBrowserがあれば、自席だけでなく庁内のどこからでもスケジュール確認や調整ができる。SecureBrowserとGaroonを組み合わせて使用することで、従来課題となっていたスケジュールの管理方法も統一することができた。これにより、スケジュール調整にかかる工数・時間を大幅に短縮、生産性が飛躍的に向上した。

「私自身、共働きですので、子供の看病など急な用事が入ることがあります。そんな時に、SecureBrowserを使えば、自宅にいながらすぐに業務予定を確認できるので非常に助かっています。これまでは、県庁内のパソコンだけでしかできなかったことが、自分のスマートフォンでもできるようになったことには、大きなメリットを感じますね」(上田氏)

これまでも在宅勤務用のシステムはあったそうだが、古い仕組みで利便性も高くないことから今の需要とは合わず、利用が進んでいなかった。ブラウザを開けば、すぐに使用できるSecureBrowserであれば、誰でも手軽に利用できるため、育休中の職員や在宅勤務の職員の中でも利用が進んでおり、多様な働き方を支えることができたと感じているそうだ。

SecureBrowserを導入したことで、働き方改革に向けた仕組みづくりが大きく進んだという。川野氏は、今後の展望を次のように語ってくれた。

「今はまだ、SecureBrowserを通して利用できる範囲をグループウェアやメール、文書の閲覧のみに留めています。場所を選ばず仕事ができる環境を整えるためにも、将来的には外出先で文書の編集や供覧が行えるようにしたいと思っています。ソリトンシステムズには、技術力を活かして、セキュリティを担保しつつ、さらに柔軟な運用ができる製品の開発を期待しています」

お忙しい中、有り難うございました。

※本ページの内容は、2017年 11月作成時の情報に基づいています。

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