導入事例

四電ビジネス株式会社

DX推進に伴うセキュリティ強化策としてSoliton OneGateを導入
電力事業グループとしての厳格なセキュリティポリシーへ対応

四電ビジネス株式会社
  • スマートフォンでの業務アクセス時に強固な多要素認証を導入し、よんでんグループのセキュリティ要件に対応
  • 直観的に操作可能な管理画面で、ユーザーの追加や削除、デジタル証明書の発行を手軽に実現
  • 専用ツールで安全かつ簡単にデジタル証明書を展開。シングルサインオンにより、利便性はかえって向上

四電ビジネス株式会社 様 イメージ図

電力事業グループとして、厳格な セキュリティポリシーに即した グループウェアおよびスマート フォン導入を検討

 四電ビジネス株式会社は、四国電力グループの一員としてオフィス、ライフサポート、エネルギー、ビジネスソリューションの4事業を展開しており、近年ではバイオマス発電、介護、EV車リースなど、さらなる事業拡大にも注力。四国地域において多様なサービスをワンストップで提供するビジネス・生活サポート企業として、よんでんグループが目指す「暮らしを支えるマルチユーティリティ企業」の一翼を担っている。

 幅広く事業を展開する同社は、ビジネスをとりまく急激な環境変化に対応するべく、DX推進プロジェクトの専門チームを発足。2021年には、オフィスに縛られない柔軟な働き方の実現と業務効率化に向けた職場環境整備の一環として、グループウェアとスマートフォンの導入を決定した。

 その経緯を、経営企画室 DX推進プロジェクトチーム リーダーの小川 和輝氏は次のように話す。

「当社では長い間、四国電力グループとしての厳格なセキュリティポリシーの下、社内ではネットワーク分離環境で業務を行い、社外では従来型の携帯電話、いわゆるガラケーを業務に使用していました。しかし、当社では外出の多い営業活動等により、オフィス外における従業員間の情報共有が不十分になってしまうという課題がありました。そこで、グループウェアとスマートフォンを導入し、コミュニケーションロスを防ぐことで顧客サービスの品質を上げ、企業価値の向上につなげたいと考えました。その際、グループのセキュリティ基準を満たす上で、多要素認証が求められました」

 そして、四国電力グループとは古くから付き合いのあるセキュリティメーカーのソリトンに、スマートフォンの多要素認証の実現方法を相談し、提案を受けたのが「Soliton OneGate(以下、OneGate)」だった。

利便性や運用性の高さ、コスト面などの総合評価でOneGateの採用を決定

 OneGateは、デジタル証明書による多要素認証(MFA)で、クラウドやオンプレミスに点在する企業の情報資産を不正アクセスから守るIDaaS*だ。DX推進プロジェクトチームの吉田 卓司氏は、提案を受けた際の印象についてこう話す。

 「多要素認証といっても対応の仕方は多種多様です。当社としてはトークンなどの追加機器を必要とせず、利用者が手間をかけずに利用できること、管理者である我々にとっても効率的に運用できることが選定の条件でした。セキュリティを強化することは重要ですが、そのために手順が複雑になると問い合わせが増えて我々の管理工数が高まるだけでなく、最終的にはユーザーに使われなくなってしまいます。その点、デジタル証明書を用いるOneGateは、当社が求める要件にぴったりでした」

 その後、同社は他製品との比較評価を行った上で、最終的にOneGateの採用を決定する。OneGateを採用した決め手について、吉田氏は「他社のツールはサーバーを立てる必要があったり、デジタル証明書の配布方法が複雑であったりするなど、OneGateに比べると導入にかかる工数もコストも重い印象でした。ユーザーの利便性とデジタル証明書の社内展開を含む運用性、そしてコストの面からもOneGateが優れていたことから、採用を決定しました」と語る。

 導入に際して、小川氏は「OneGateを利用するにあたり、セキュリティ基準の厳しい電力グループネットワークゆえの調整など苦労もありましたが、ソリトンの技術的なサポートもあり、基本的にはADとの連携を含めて問題無く運用に入ることができました」と話す。

  • IDaaS: 様々なサービス・システムのID情報をクラウドベースで一元的に管理できるサービスの総称。

スモールスタートから順次拡張し、全社利用へ。わかりやすい管理画面とサポートのしやすさに満足

 こうして2023年1月、同社は社給スマートフォンであるiPhoneの多要素認証基盤として、OneGateの利用を開始した。導入は段階的に進める計画であったため、初回は最小契約数である70ライセンスで導入。その後、運用面等で問題の無いことを確認した上で、数度のライセンス追加を経て全社展開に至り、現在は約430名の社員が利用している。

 吉田氏はデジタル証明書の導入フェーズについて、次のように話す。

「今回、デジタル証明書はメールで配布し、インストールはユーザー側に行ってもらいました。簡易的なマニュアルを配布しただけですが、ほとんど問い合わせもなく、スムーズに展開できました」

 さらにユーザー側の利用については、「証明書の展開後も、ユーザーからの問い合わせ等はほとんど来ておらず、問題無く利用してくれています。また、社内システムへ入る際に一度認証を通すことで、私用ではなく社給のスマートフォンを使っているのだと実感してもらい、社員自身のセキュリティ意識向上にも役立てられていると感じます」と述べた。

 日々の作業を担当するDX推進プロジェクトチームの渡辺 新氏は、OneGateの運用性についてこう評価する。

 「OneGateでのユーザーの追加や削除、デジタル証明書の発行、対象のアプリケーションの紐づけなどは、管理画面から簡単に行えます。私はこの部署に異動してきたばかりですが、OneGateの管理画面は直感的に理解ができるようになっており、かつ日本語での表記なので、1度レクチャーを受ければある程度使いこなすことができます。また、OneGateは各ユーザーの状態も一覧で色分けされて視認しやすく、たとえばまだインストールしていないとか、一度もログインしていないユーザーに利用を促すといったサポートもしやすいです」

多要素認証を広めるため、今後は顧客企業等への展開にも期待

 現在、OneGateは社外からスマートフォンで社内システムを利用する際の多要素認証として利用されている。小川氏は、その連携性の高さへの期待を次のように語る。

「対象アプリケーションは、当初はグループウェアのみでしたが、その後新たにワークフローシステムとも連携させました。OneGateはID/パスワードの自動投入とSAML連携の両方ができることで、これから各部門で新たに利用するシステムやSaaSなどが増えても安心です」

 今後について、小川氏は顧客企業やグループ企業への展開にも期待を寄せる。

 「当社はビジネスソリューション事業の中で、さまざまなITソリューションをお客様に提供しています。セキュリティ、中でも多要素認証への関心は高いので、今回の自社導入で得られた知見を事業部に提供し、販売活動のバックアップも行いたいと考えています」

 最後に小川氏はソリトンへの評価および今後の期待について、次のように結んだ。

「ソリトンさんとは長いお付き合いですが、ユーザーとして分からないことや不安をぶつけるとしっかり受け止めて、最後まで粘り強く面倒をみてくれるので、パートナーとして頼りにしています。OneGateはISMAP*への登録も予定されていると聞きますし、そうなれば顧客企業への導入もさらにしやすくなると思います。当チームとしても今後DXを推進する上で、さまざまなセキュリティ強化施策に取り組むことになると思いますので、これからも継続的な支援に期待しています」

  • ISMAP:(Information system Security Management and Assessment Program)、政府機関等がクラウドサービスを調達する際のセキュリティ・信頼性を評価する制度。

お忙しい中、有り難うございました。

※本ページの内容は、2024年5月作成時の情報に基づいています。

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